写真エッセー『メメント・モリ』から42年を経て、藤原新也さんが時代と向き合った新刊『メメント・ヴィータ』（双葉社）が刊行されました。「死を想え（メメント・モリ）」から「生を想え（メメント・ヴィータ）」へ、対照的なタイトルの２冊の間に考 ...

著者の水上勉さんは、少年時代の禅寺での修行体験を元にした小説『雁の寺』や社会派推理『飢餓海峡』などでベストセラー作家として知られていますが、9歳の時、貧困もあって京都の禅寺に出されています。16歳から18歳までは、精進料理のつくり方を、等持院で尾関本 ...

ニューヨーク在住12年のライターCOOKIEHEADさんと、書店、図書館、書籍、日本文学などの事情について語り合いました。第3回では「ニューヨークらしさを感じる本」を5冊紹介し、さらに近年ますます注目される日本文学の読まれ方について話 ...

「台湾らしさ」が捉えづらいのは、台湾が経験してきた複雑な歴史と深い関係があります。詳しくは本編で掘り下げていきますが、もともとは原住民の土地だった台湾に、早くは明代に移住した漢民族が自らの文化を持ち込みました。近代には日本の植民地となり、日本の文化が ...

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言葉が伝わらない。 その言葉を発した者が悪いのか。聞くことができない方が悪いのか。 誰よりも近い間柄のはずなのに、なぜか会話が成立しない。上村裕香『ほくほくおいも党』（小学館）は、そうした父と娘の日常を描いて幕を開ける。

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民主政（デモクラシー）は古代ギリシアが模範だと長らく理解されてきた。近代の代議民主政はその劣化版にすぎない。ホッブズといえば絶対王政の擁護者であり、直接民主政を擁護したルソーはホッブズと対照的な人物だ――大学の試験で、こんな生成系Ａ ...

1. 国宝〈上〉青春篇（吉田修一、朝日文庫）2. 国宝〈下〉花道篇（吉田修一、朝日文庫）3. 成瀬は天下を取りにいく（宮島未奈、新潮文庫）4. ババヤガの夜（王谷晶、河出文庫）5. 一次元の挿し木（松下龍之介、宝島社文庫）6.

江戸の出版界に事件を呼ぶ本の虫、おせんの物語が、２冊目の単行本になった。「往来絵巻　貸本屋おせん」（文芸春秋）でも、おせんは神田明神祭の絵巻をめぐる謎や、「模倣本」騒ぎなど、数々の騒動に遭遇する。高瀬乃一さんは、まるで母のような愛を注いで、おせんを育 ...

「哲学対話」とは〈哲学的なテーマについて、ひとと一緒にじっくり考え、聴きあうというもの〉〈普段当たり前だと思っていることを改めて問い直し、じりじり考えて話してみたり、ひとの考えを聴いてびっくりしたりする〉ものだという。そう聞くと、あまりに素朴に感じる ...